これまで苦労して築き上げた財産・・・もし自分が病気やケガ、認知症等で管理できなくなったらどうしますか?
一人で銀行へ行くのが難しくなっても、身近に頼れる人がいれば生活費の引き出しや家賃・医療費の支払い等、ちょっとした管理はお願いできるでしょう。
しかし、家族であっても、すべての財産を預けてしまうことに抵抗がある方は多いのではないでしょうか。
お金のトラブルで円満な関係が壊れてしまうのは誰も望みません。
「この預金はキチンと私のために考えて使ってくれるのかしら?」
「子ども達のうち、一人に管理をお願いしたら、私の亡き後トラブルになったりしないかな?」
そんな時、はじめから司法書士等の専門職の後見人を選んでおけば、このような心配をすることなく、財産の管理を任せることができます。
財産の管理は後見人の中心的な業務です。
まずは、通帳や印鑑、自宅の権利書等を保管して財産を紛失・盗難等から守ります。
また、老後も安心して生活がおくれるよう、家賃や光熱費、税金等の支払いだけでなく、年金や家賃収入、コロナ関連の給付金のような各種給付金等、受け取るお金もきっちり手続きをして受け取り漏らすことがありません。
現在はどの金融機関でも本人確認が厳格になり、通帳や印鑑を持った家族であっても窓口でお金を引き出すことができないケースが多くなっています。
その点後見人は法律で認められた権限があるため、このような手続きも円滑にすすめることができるのです。
しかし、
「自分で判断して指示することが難しくなっているのに、私の希望どおり管理してくれるのかしら?」
「勝手に自宅を処分されたりしないの?」
他人である後見人が管理するのだから、そんな不安は当然です。
長年生活をともにした親子のように、あなたの意向を推し量ることはできません。
その代わりに、元気なうちによく話し合って信頼関係を築き、ご自身の希望を毎月の面談時に少しずつ聞き取り、煮詰めていき、最終的に契約というカタチで管理方法を決めていくのです。
後見人による財産管理
法定後見は、あなたがすでに認知機能が衰え、判断できなくなってから利用する制度です。
家族を後見人の候補者として申し立て、その家族が選ばれた場合は、あなたも安心して財産管理を任せることができるかもしれません。
しかし、候補者がいない方や、候補者を指定したにもかかわらず、裁判所の判断で第三者の専門職が選ばれることもあります。
成年後見制度は「自己決定権の尊重」を理念としています。
赤の他人の後見人でも、家庭裁判所の監督のもと、最大限あなたをサポートしてくれるはずです。
しかし、その時点ではあなたの判断能力も落ちており、後見人にあなたの意思を伝えることはほぼできなくなっています。
そんな不都合を補ってくれるのが任意後見制度です(『「任意後見とは」』のページで詳しくご説明していますのでご参照下さい。)。
あなたが選んだ任意後見人と、任意後見契約を結びます。
その中で「誰に」「どんなことを頼むか」「自分で決めておく」ことで、将来認知機能が落ちてしまっても、自分の希望する暮らしを実現することができるのです。
「定期預金や株、賃貸に出している物件を売却して、施設の費用にあててもらうのは構わないけど、自宅は思い出がつまっているから残しておいて欲しい」と管理の方法を細かく決めておくこともできます。
財産管理委任契約とは
「判断能力はしっかりしていて月々の収支も把握しているし、財産の管理は自分でできそうだけど、足腰が弱ってきて銀行まで歩いて行くのが大変。」
「入院することになりそうだけど、今はまだ頭は元気だから、後見人さんに代わりに財産を管理してもらうのは難しいの?」
自分でしたいのに体の自由がきかなくなって実際問題として今までのように細かく財産を管理するのが難しい。
見守り契約期間中にこのような不安の声を聞くことがあります。
そんな方のために見守り契約とセットで「財産管理等委任契約」を結んでおくことをオススメしています。
司法書士の松浦or赤木に判断能力が衰えて後見がスタートする前の段階で、契約で決めた財産管理を任せることができるのです。
契約書を作成しておくことで、手続きのたびに代理で行うための書類を作成する手間が省けるため、入院・手術等ですぐに委任状がもらえなくても安心です。
また、入院している間だけ家賃を支払う、逆に受け取る等、契約なので条件や範囲も自由に決められます。
一口に財産管理といっても、後見人としての財産管理、見守り契約期間中の財産管理、その方の財産の内容、抱えている問題等によって様々な方法があります。
当事務所で担当した財産管理の一部をご紹介します。
賃貸物件の更新や家賃トラブル
お客様が賃貸経営をしている場合は、もちろんその物件の管理も代理で行うことができます。
法律の専門家として更新や解約、賃料の改定手続きや、長年口約束で賃貸してきた物件の契約書を改めて作成する等、必要であれば不動産管理会社等と連携しながら様々な賃貸トラブルを未然に防ぎます。
その中で最も多いご相談が、家賃トラブルに関するものです。
当事務所の松浦と赤木は、ともに簡易裁判所での民事紛争の代理ができる認定司法書士ですので、家賃が滞納している賃借人に対して内容証明等で家賃の請求をしたり、それでも効果がない場合は簡易裁判所での法的手続きに移行する場合もあります。
また司法書士は不動産取引のプロでもあります。
物件を売却する場合の契約の立ち会い、契約書の内容が適切かどうかのリーガルチェックや、諸費用の管理、残代金の決済から担保抹消、名義変更の登記まで一連の手続きも安心してお任せいただけます。
遺産分割協議の代理
遺産分割協議も代理ですることができます。
夫や兄弟が亡くなってお客様がその相続人になった場合、「遺言書で遺産を受け取れる人を指定されていた」「相続人があなた一人だった」等の事情がない限り、通常は相続人全員で遺産をどのように分けるかの話し合い(遺産分割協議)を行います。
この話し合いも法律行為といわれ、判断能力がない状態であなたが印鑑を押しても、それは無効になってしまうため、他の相続人は困ってしまいます。
そこで後見人が代理でその話し合いに出席してあなたの受け取れる遺産を決めることができます。
家族関係が不仲なので、他の相続人が強硬で私にとって不利な条件で承諾してしまわないか不安という声もありました。
しかし、後見人は家庭裁判所の監督のもと、あなたの法定相続分(遺産の取り分として法律で定められた割合、夫婦の場合は2分の1等)以上の取り分を確保した内容でなければ合意できない取扱いになっていますので、ご安心ください。
老後の生活で不安に感じることの1位は「お金」に関することです。
お金が絡むと家族であっても取り返しがつかないくらい険悪な関係になってしまうこともあります。
当事務所では「遠くの親戚より近くの後見人」と感じていただけるよう、あなたの大切な財産を管理することを心掛けています。少しでも心の負担を減らし、活き活きと自分らしい生き方ができるようになりませんか?
あなたの心身・判断能力の状況等に応じて財産管理の方法は変わってきます。
あなた自身で司法書士とどの種類の契約をし、どのように財産を管理して欲しいのか、、悩む必要はありません。
まずは今不安に思っていることを当事務所にそのままお話しください。あなたに合った解決法をご提案いたします。
見守り契約とは
当事務所では、月に1回訪問をしてお客様から将来のことや現在の財産管理や契約などのお悩みのご相談をおうかがいする「見守り契約」をお受けしています。
見守り契約では、今回ご紹介しました「財産管理」の他に「自分の生き方」や「終活」についてのお悩みをご相談いただくこともあります。
(※それぞれ『「自分らしい生き方」のご相談』『「終活」のご相談』のページで詳しくご説明していますのでご参照下さい)
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